eSIMとは？その仕組みと基本情報

eSIM（Embedded SIM）は、従来の物理SIMカードを必要とせず、スマートフォンやタブレットに内蔵されたデジタルSIM機能を指します。「e」は「Embedded（埋め込み）」の略で、端末本体に組み込まれているため、SIMカードの差し替えが不要です。契約情報はオンラインでプロファイルをダウンロードするだけで設定可能で、キャリアの切り替えや新規契約が非常にスムーズに行えます。

eSIMのメリット

1. SIMカードの差し替えが不要

物理SIMカードを挿入・取り外す手間がなく、オンラインでプロファイルをダウンロードするだけで利用開始できます。これにより、紛失や破損のリスクも軽減されます。

2. キャリア切り替えが簡単

eSIMはオンラインで契約情報を変更できるため、キャリアの乗り換えが迅速に行えます。特に、格安SIMユーザーにとっては、より安価なプランへの移行が容易です。

3. デュアルSIM対応

eSIMと物理SIMを併用することで、1台のスマートフォンで複数の回線を利用可能です。これにより、プライベートとビジネスの番号を分けたり、国内と海外の回線を使い分けたりすることができます。

4. 海外利用が便利

海外旅行や出張時に、現地キャリアのeSIMプロファイルをダウンロードするだけで通信が可能です。これにより、現地でSIMカードを購入する手間が省けます。

5. 環境に優しい

物理SIMカードの製造や廃棄が不要なため、環境負荷を軽減します。

eSIMのデメリット

1. 対応端末が限定的

すべてのスマートフォンがeSIMに対応しているわけではありません。特に古い機種では利用できない場合があります。

2. 対応キャリアの制限

一部の格安SIM事業者では、eSIM対応プランが限られていることがあります。契約前に対応状況を確認する必要があります。

3. 設定の手間

物理SIMカードのように挿入するだけではなく、プロファイルのダウンロードや設定が必要です。スマホに不慣れな方には少しハードルが高い場合があります。

eSIM対応のおすすめ格安SIM事業者（2025年版）

事業者名	月額料金例	特徴
IIJmio	990円～	eSIM専用プランあり。柔軟なデータ容量設定が可能
povo2.0	0円～	基本料金0円で、必要なデータ容量をトッピングして利用可能
LINEMO	990円～	LINEのデータ通信が無制限で利用可能
楽天モバイル	1,078円～	海外66カ国で2GBまで無料で利用可能。国内通話も無料
mineo	1,298円～	家族割やパケットシェアが可能。デュアルSIM利用に最適

eSIMの最新トレンド

1. eSIM対応端末の増加

2025年現在、iPhoneやGoogle Pixel、Samsung Galaxyなどの主要スマートフォンはほぼすべてeSIMに対応しています。また、デュアルeSIM対応端末も増加しており、物理SIMを使わずに2回線を利用できる機種も登場しています。

2. 格安SIM事業者のeSIM対応拡大

多くの格安SIM事業者がeSIM対応プランを提供し始めています。特に、データ通信専用プランや短期利用向けプランが充実しており、ユーザーの選択肢が広がっています。

3. IoTデバイスへの普及

スマートウォッチや車載デバイスなど、IoTデバイスでのeSIM利用が進んでいます。これにより、デバイスの小型化や利便性の向上が期待されています。

4. 海外利用の利便性向上

eSIM対応のグローバルプランが増加しており、海外旅行者や出張者にとって、現地SIMカードを購入する必要がなくなっています。

eSIMの利用手順

対応端末を確認
eSIMに対応したスマートフォンを用意します。iPhoneでは「iPhone XR」以降、Google Pixelでは「Pixel 4」以降のモデルが対応しています。
eSIM対応キャリアに申し込み
格安SIM事業者の公式サイトからeSIMプランを選択し、申し込みを行います。
プロファイルのダウンロード
キャリアから提供されたQRコードをスマートフォンでスキャンし、プロファイルをダウンロードします。
設定を完了
プロファイルを有効化し、通信が利用可能になります。